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養生ということ(1)

養生ということ(1)

 東洋医学にとって、どうしても必要な養生ということについて述べましょう。養生は、「ようせい」と読みますと生前の親の面倒をよくみるなどの意味になり、「ようじょう」とよみますと健康の増進を図ることになります。ここでは、むろん後の意味です。
 
『養生してくださいね』とわたしはよく患者さんに言葉をかけます。この時わたしは、無理をするなとか睡眠を十分とるようにとかというよりも、食べ物に注意してくださいという気持を込めています。
 
 過労や睡眠不足が体によくないのは当然で、軽んじてよいわけがありません。しかし、わたしが食べ物を重視するには理由があります。
 
 仕事の都合で十分な睡眠が取れず、万年睡眠不足という人があります。また、諸般の事情でその日のうちに仕事をこなしてしまわなければならず、判っていながら過労におちいる人もあります。家族のためやお客さんのためになろうとして、ついつい体を粗末にしてしまう人に、わたしは同情こそすれ責める気にはなれません。家業にせよ勤めにせよ、浮き世で仕事をする限りこの手の養生は至難の技です。
 
 ただ、そのような人でも口にいれる食べ物だけは、自分の責任でどのようにでもできます。食べることも食べないこともその人の決心次第です。
 
 つまり食事の養生だけは、どんなに多忙な現代人でも実行可能なのです。わたくしが食事を重視する理由がここにあります。読者の皆さんから、じゃあどんなものを食べれば体に良くて、結果として養生になるのか早く教えてくれ、という声が聞こえてくるようです。
 
 今すぐ教えましょう。しかしその前に、健康によいとこれまでにマスコミや口コミで宣伝された健康増進の食品で、いまなお評価が高いものには何があるか目を閉じて思い出してください。大豆製品や乳製品、繊維性食品として海藻の類や野菜のジュースなどは思いつきましたか。それ以外にも数えきれないほどの食品がもてはやされたことがあったのではないでしょうか。良い食べ物と評価されてその後にうたかたのように消え去ったものは、それこそ数えきれません。
 
 本当のことをいえば、食べただけで健康になる食品はないというのが、わたくしの考えです。そのわけは次号でお話しましょう。
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